はたはったん

『はたはったん』って?

自然農法センターが開発した自然農法に適した稲種です。松本市の波田(はた)町で、昭和30年代から自然農法に取り組むにある、波多腰(はたこし)さんの八反(はったん)の田んぼで生まれたので、「はたはったん」と命名されました。

1997年から研究を積み重ね、2021秋に銘柄登録が許されました。そして福井県産「はたはったん」として販売が可能となりました。

※お米の銘柄とは「ササニシキ」「こしひかり」といったお米のブランド名称です。品質や栽培実績など、県ごとに基準を設け検査認証されます。農林水産省が指定をすることで「○県産 ○△□」いった名前で販売することができます。

誕生

落ちこぼれの劣等生が逆転奇蹟の大出世!

20年以上前のことです。自然の水田で突如、稲穂の背丈が高い品種が現れ、研究員の期待と夢を背負い「はたはったん」の祖先は誕生しました。

落ちこぼれ時代

期待をされた「はたはったん」ですが、翌年、味も形も悪く劣等生となってしまいました。

研究員は、7品種の優秀な一軍といわれる先輩たちに注目が集まり品種登録を目指して研究が始まりました。「はたはったん」は300種類ほどの候補生の中で、毎年毎年三軍にも入れない落ちこぼれのどん底で、今やその存在すら忘れかけられていたのです。

突然優等生へ

一軍の7品種のなかで、6番目の先輩が選ばれ、新品種として登録を試みますが、申請のミスがあり無念にも失格となってしまいました。自然農法センターとして初めてのお米の品種登録が失敗に終わり、研究員たちは肩を落としていたのです。その時、ある研究員が「おもしろそうな成長をしている品種がある」と、ある稲を見つけました。それを拾い上げ、注目したところ、信じられない良質な稲とお米が生まれたのです。それが「はたはったん」でした。「何が起きたのか」と、研究員たちは不思議な奇蹟に勇気をあたえられ喜びに包まれました。

めでたく登録

翌年、リベンジを掛けた自然農法センターの新品種登録に「はたはったん」は抜擢され、見事に農林水産省から登録公表がなされたのです。

その後、7年の時間をかけて、全国で増産するために個性を安定させる研究が繰り返され、2019年、福井県と新潟県の農家で「産地銘柄米」として検査を開始しました。

2021年の秋、めでたく「福井県産 はたはったん」として販売することができました。